とある日の
東京の夕暮れ
夕暮れの景色を見ながらビールを飲むのが好きです。
でも、このブログを書いている日は禁酒日なのでお酒は一滴も飲みません。
明日のお酒が楽しみ~
さて
先日の新聞記事
日本がDXを加速していくことは急務です。
異論はありません。
ただ、医師として特に目を引いたのが
1面小見出しの
「オンライン診療恒久化」
そして5面の菅氏インタビュー要旨です。
【オンライン診療・教育】
恒久化すべきだという考え方だ。新型コロナウィルス禍でもオンライン診療は効果があった。
いろんあ抵抗があることは分かっている。
思い切ってやった方がいい。
う~~ん
このあたり、医師仲間や当ブログのご意見番であるMarshal 先生は否定的です。
もちろん、私も否定的な部分が多いのですが、全面的に反対というわけでもなく全面的に賛成というわけでもありません。
なぜなら
臨床現場では問題が多々あること、
安易に施行を強行されたら健康上の不利益を被る患者さんが少なからずでることは確実でしょう。
決して既得権益で反対しているわけではありません。
一方で、過疎化する地方の医療問題や、田舎の病院運営、風邪やインフルエンザの診療(この中に入院が必要な肺炎なども混じってくるリスクがありますので、これらは単純にいいと言っているわけではありません)では遠隔診療・診断の有用性もあるように感じます。
ただ、少なくとも思い切ってやるという次元のものではなく
例えやることを前提とするのだとしても、実施方法の丁寧な議論や細部までの具体化・丁寧なシステムつくりまで詰めないと大変なことになるでしょう。
一方で、米国や中国ではオンライン診療が急速に進みつつあるのも事実。
けれど
米国では非常に高額な医療費
中国では共産党主導でのDX推進
というバックグラウンドがあるわけで
表面上の数字だけで比較推し量るべきではないと思う。
あ
菅氏のこの思考方法は携帯料金の国別比較でも同じなのかもしれません。
ちなみに菅氏を非難しているわけではないですよ・・
ただ、・・・と感じる部分もあるのも真実です。
ちなみに今、2017年に出版された「ふしぎな総合商社」という本を読んでいます。
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68ページにこんな記載があります。
(2003年のSARSの話をされています)
このときに得た教訓としては、この手の感染症の場合、密室にこもるのがかえって危険で、屋外かそれに近い風通しのいいところにいるほうが安全だし、感染が広まらないということだ。
私は、その教訓から、日本でもインフルエンザについて、スカイプによる遠隔診断とか、診療所の待合室をよくするとかを考えてほしいと思っている。
著者はCOVID19のパンデミックを予見しているような
そしてこうした感染症に対する遠隔診断のリクエストとか
鋭いです。
真実をついてはいます。
おそらく日本でもオンライン診療に進んでいくとは思うのですが
オンライン診療と親和性のいい症状・病気とそうでない症状・病気がある。
リスクがある場合きちんと対面診療に流れる丁寧なフローを作成しないといけません。
そして昨日は
メドレー(4480)が一段と上げました。
医療現場の間隔と株価の間に幾分かずれを感じますが
菅氏の発言を受ければ上がらざるを得ませんね。
Marskoinはオンライン診療に
もろ手を挙げて賛成でも反対でもありません。
ただ少なくとも
活用の仕方が重要で丁寧な議論と準備をしてほしい。
オンライン診療ならではの健康被害を生じさせないシステム
・・・決して医師に責任を転嫁しておしまいにするような制度にしてほしくない・・
そんなきちんとしたシステムをつくるためには「思い切ってやる」という簡単なものにしてほしくはありません。
注視していきたいと思います。
#オンライン診療 #医療現場からオンライン診療への危惧